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価格交渉・価格転嫁の取組事例

価格固定化と人員計画の資料化で実現した工期厳守と原価管理の安定化

  • コスト見直し
  • 交渉の工夫
  • その他

公開日 

取組のポイント

  • 人件費の高騰により工期の順守に必要な人員数の確保に課題
  • 受注時に必要な人員計画を資料化し施主への提案で工期厳守を訴求
  • 25年分の工事実績でPR力を強化。技術力・信用力を可視化し交渉で優位に

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

価格転嫁に取り組むきっかけとなったのは、資材費の高騰と人材不足という二重の課題でした。

資材価格は毎月上がり下がりを繰り返しており、工事原価の安定的な管理が困難な状況が続いていました

さらに、建設業は「担い手不足」「不人気業種」というイメージが根強く、必要な人材を確保できなければ工期が遅延し、施主への引き渡しが半年以上ずれ込むリスクもありました。

特に2011年の東日本大震災以降、復興需要に人材が集中したことで関東だけでなく地方での人手不足が顕著になり、技能実習生など外国人労働者への依存が高まりました。

こうした外部環境の変化に対応するため、価格交渉と工程管理の両面で抜本的な見直しが必要と判断しました。

取組を行った内容

まず資材調達においては、必要な量を分割購入するのではなく、工事全体で使用する分を一括で押さえることによって価格を固定化し、相場の変動リスクを回避しました。

また、地元メーカーだけでなく東北など比較的コストの低いメーカーとのネットワークを構築し、データを蓄積しながら調達先を最適化しました。

人材確保については、受注時に必要な人員計画を資料化し、施主へプレゼンテーションを行うことで工期厳守への信頼性を訴求。

価格交渉は、発注者の希望価格をそのまま受け入れるのではなく、コスト削減への取り組みも併せて説明しながら、自社の希望価格との折り合いをつけ価格転嫁を進めました

取組を行ったことにより得られた効果

市場の流れと価格交渉・価格転嫁の取り組みが合わさり、一時期は業界全体で賃上げが実現し、工事受注も堅調に推移しました。

一括調達による資材コストの平準化は原価管理の安定化に寄与し、工期遅延に伴う遅延金の発生防止にもつながりました。

また、25年分の工事実績(首都圏の再開発や分譲マンション施工等)をPR資料として体系化し、技術力・信用力を可視化したことで、発注者との価格交渉において優位に立てる場面が増えました

一方、近年はマンション価格の高騰が消費者の購買力を超えてしまい、新規工事の発注が冷え込む局面もあり、価格競争が再燃しているという課題も生じています。

建設業A社

業種
製造業