価格交渉・価格転嫁の取組事例
新商品発売と付加価値向上を機に実現した看板商品の品質維持と単価アップ
- ブランド力向上
- 交渉の工夫
公開日
取組のポイント
- 新商品発売タイミングで原価反映した価格設定の戦略を採用
- 若狭名水使用や高級容器採用で付加価値を高め主力製品に育成
- 看板商品は毎年10円ずつ値上げし、良質な仕入先維持とサプライチェーン保護
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
2021年ごろから、小豆や砂糖、鶏卵などの菓子材料の価格が高騰し、原価が10%~20%上昇する状況に直面しました。しかし、「きちんとした材料を用いたおいしい菓子を届ける」ことを重視し、原材料の質を落とすことは選択肢にありませんでした。
また、看板商品の「くずまんじゅう」についても、良質なくずを適正価格で仕入れ続け、サプライチェーンを守りたいという強い思いがありました。この二つの課題を両立させるため、コスト上昇分をいかにして販売価格に反映させるかが喫緊の課題でした。
取組を行った内容
原価を犠牲にせず品質を守るため、新商品発売のタイミングで、原価を反映した価格を設定するという戦略を取りました。2023年に発売した新商品は、若狭名水の使用や高級容器の採用などにより付加価値を高め、主力製品として育成しました。
同時に、看板商品の「くずまんじゅう」については、2021年以降毎年10円ずつ値上げを実施し、良質な仕入れ先の維持と生産者保護という社会的価値を確保しました。
取組を行ったことにより得られた効果
「小浜でしかできない菓子作り」を強みに、新商品の定着と値上げの相乗効果により、店舗での売り上げは毎年アップしています。高付加価値の新商品は売り上げの1割を占めるまで成長しました。客単価の上昇と収益力の改善が実現し、その結果、従業員の給与や時給を数年継続して引き上げることができています。
将来に向けて、ECへの投資や百貨店・展示会への出展など、地元以外の地域への販路拡大も進めています。
参照元:福井県『県内企業の価格転嫁事例』
有限会社伊勢屋
福井県小浜市にて1830年(天保元年)に創業した老舗和菓子店です。職人による手作りの伝統製法を守りつつ、現在は六代目を中心に新商品開発やオンライン販売にも注力。地域の歴史と素材を大切にしながら、食文化を現代に伝える菓子作りを行っています。
- 所在地
- 福井県小浜市一番町1-6
- 業種
- 製造業

