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価格交渉・価格転嫁の取組事例

会社規模を活かした価格転嫁 業界の新たな課題も浮き彫りに

  • コスト上昇データの作成
  • 交渉の工夫
  • 市場調査

取組のポイント

  • 自社の事業規模を強みとして活かし、業界内での差別化を図る
  • 業界全体の構造的課題を認識し、自社の役割を再定義
  • 丁寧な説明責任を果たし、売上減でも粗利向上を実現

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

排煙窓オペレーターや外付けブラインド等の製品販売・工事を行う代理店事業において、2025年10月に仕入先から材料費の値上げ通知を受け、収益性の悪化という深刻な課題に直面しました。さらに、人件費の高騰により従業員のモチベーションも低下し、経営戦略の転換が必要な状況でした。

また、競合他社の価格転嫁という業界全体の流れもあり、適正な価格改定への対応が急務となりました。特に、2~3名で運営する代理店が多い業界に対し、10名以上の従業員を抱える当社としては、この規模を活かした差別化戦略と併せて価格転嫁に取り組む必要がありました。

 

取組を行った内容

価格交渉に向けて、まず原価計算を実施し、見積書の形式を見直しました。その上で、自社の所属する業種・業界の価格改定に関する情報を収集し、同業他社との意見交換も積極的に行いました。

また、メーカーからの価格値上げ情報に基づき、協業して価格交渉・転嫁を実施しました。具体的には、2024年10月の材料費大幅値上げを受けて、各客先に対してFAXにて価格値上げをお願いする案内文を送付し、丁寧な説明を行いました。同時に、見積書の新規作成や代替案・新商品の提案資料を作成し、製品・サービスの高機能化と新商品開発にも取り組みました。

取組を行ったことにより得られた効果

これらの取り組みにより、価格転嫁を成功させることができました。その結果、売上は減少したものの粗利は向上し、従業員の賃上げも実現しました。

ただし、予算は達成できていない状況にあり、業界全体の足並みがそろっていないため、各代理店で売値がばらばらという課題も明らかになりました。このことから、業界全体が売上・粗利を向上させる必要性を認識いたしました。

株式会社F社

業種
建設業
資本金
10,000千円