価格交渉・価格転嫁の取組事例
同業他社の動向が契機に。製造原価率が55%から49%へと大幅に改善
- コスト上昇調査
- 交渉の工夫
- 支援機関サポート
公開日
取組のポイント
- 1ヶ月かけ顧客別・製品別原価を詳細計算し動向を調査
- 交渉先の社長の性格まで詳細に調査し相手ごとに交渉方法を変える戦略
- 製造原価率55%→49%へ改善し納品見直しで生産性向上
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
価格見直しを決断したきっかけは、食品卸の同業他社が価格交渉をしているという情報が入ったことでした。
取引先件数300社を超える製麺業として、定番商品だけでなく販売先別の特注商品も多数製造していましたが、取引額が大きいクライアント商品の収益性が低く、早急な改善が必要な状況でした。
特に一部の顧客に関しては原材料費が30%上昇、エネルギー費が30%上昇、人件費(間接費含む)が5%上昇していたにもかかわらず、7年間価格据え置きとなっており、売価は全く変更されていませんでした。
同様に約3年の価格据え置き、毎年の契約ごとに価格が下落している顧客も抱えており、このような状況が続けば赤字転落・経営不振に陥るという強い危機感から、同業他社の動向を契機として価格交渉が必須の状況であることを再認識しました。
取組を行った内容
まず、価格交渉セミナーを受講し、商工会議所経由で個別相談を行いました。
その上で、1ヶ月かけて顧客別・製品別原価と目標値上げ率を詳細に計算しました。また、顧客の売価変更動向調査や他卸の動向調査を実施し、価格変更申入書の作成と資料修正を行いました。
顧客の動向調査においては、経営全体や事業に関する状況や方針、価格変更ができるタイミング(他の卸の動向、年度末、発注何ヶ月前)、キーマンや決定権者、交渉相手である社長の性格まで詳細に聞き取り調査を実施しました。
加えて、価格交渉においては、先方担当者との綿密なコミュニケーション、交渉時期などの価格以外のポイントも押さえ、相手によって交渉の仕方を変える戦略を採用しました。
取組を行ったことにより得られた効果
価格転嫁の実施により、製造原価率は2023年の55%から2025年には49%へと大幅に改善し、営業利益が増加しました。
また、価格転嫁の取組をきっかけに納品形式の見直しも行い、毎日納品から週3回納品への変更をすることにより、配送コストの削減と生産ロットの向上を実現し、生産性の向上にもつながりました。
今後の課題として、継続的な原材料高騰が見込まれるため、継続的に数値管理を行い常に動向を見ておくことが重要であると考えています。
また、将来的にはビジネスモデルの転換も視野に入れ、取組を進めて行きます。
有限会社J
- 業種
- 製造業

