価格交渉・価格転嫁の取組事例
課題発見シートと工数の見える化で実現した年間数千万円の収益改善
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公開日
取組のポイント
- 人・材料・設備・方法の4M分類で現状と目標のギャップを整理し課題を顕在化
- 標準工数と目標工数を可視化し単価表の整備で作業ごとの受託価格の歪みを明確化
- 年間数千万円程度の収益改善を実現し長期的な財務体質の改善に成功
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
当社は自動車板金塗装業を営んでおり、現在8人態勢で業務を行っている企業です。
価格見直しを決断したきっかけは、発注側からの根拠のない原価低減要請でした。客先から口頭で原価低減要請を受けましたが、交渉に向けた時間的猶予がなく、このままでは客先の原価低減要請に押し切られる懸念がありました。
加えて、自社の原価状況や対応策が不明確で、どのように対応すればよいか分からない切羽詰まった状況に陥っていました。
取組を行った内容
地元商工会や信用保証協会に相談したところ、公益財団法人ひょうご産業活性化センターが実施する「価格転嫁円滑化伴走支援専門家派遣事業」を紹介され、専門家の支援を受けることにしました。
相談を行った専門家が独自で作成した「課題発見・解決シート」を活用し、経営全般的な課題を抽出して解決すべき課題を顕在化させました。このシートを活用することで、人・材料・設備・方法という4M(Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)の頭文字をとったもので、製造現場での問題解決や改善活動の基本となる要素を表す)の分類で現状と目標とのギャップを整理し、課題と対応策の全体像を「我が事」として客観視することができました。
加えて、工賃と工数の見える化によるコスト・利益・損失の現状把握に取り組みました。自社で作業工程表を作成し、工数の「現状と目標」をそれぞれ記入することで、作業別の標準工数と目標工数を可視化することができました。
さらに、「単価表」を整備し、受託価格を入力することで「儲け・損失」の現状を把握するとともに、作業ごとの受託価格の歪みも明らかにしました。価格交渉においては、自社の状況を伝えるとともに国が公表している客観的なデータも用いて説明を行いました。
取組を行ったことにより得られた効果
価格転嫁の実施により、年間数千万円程度の収益・利益の改善が見込める状況となりました。この収益改善分を繰越利益剰余金の積み増しに充当することで、長期的な財務体質の改善に繋がると考え、客先に価格転嫁を要請するきっかけになりました。
加えて、2025年時点の適正な価格設定が明確になったことで、将来の定期的な価格転嫁に対する根拠データの蓄積などの準備ができるようになりました。
また、間接的な成果としては、経営課題と対応策が網羅的に抽出でき、レイバーレート(時間当たり工賃)、作業工数(標準・目標)、単価表といった重要な経営指標が「見える化」したことにあります。これらが見えたことで、得意先企業に価格転嫁を求める決心がつき、自信を持って交渉に臨むことができたと考えています。
株式会社G社
- 業種
- 製造業

