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価格交渉・価格転嫁の取組事例

外部からのヒントを力に付加価値を明確化した「高価格でも選ばれる」理由のある商品づくりの工夫

  • ブランド力向上
  • 交渉の工夫
  • その他

公開日 

取組のポイント

  • 女性向けデザインと素材にこだわった無添加の加工品で付加価値を明確化
  • 飲食店には資材高騰の状況を丁寧に説明し各部位をバランスよく販売できる価格設定を実施
  • EC(Electronic Commerce:商品・サービスを、インターネットを介して販売するビジネスモデル)やふるさと納税等の多様な販路で市場変動に左右されにくい経営基盤を構築

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

コロナ禍以降の為替変動と穀物相場の高騰により、飼料費が上昇しました。

養豚業では飼料代が経営コストの大半を占めますが、3ヶ月ごとに改定される飼料価格は為替レート、海上運賃、原油価格、穀物相場に直接影響を受けます。
コロナ前と比較して年間1000万円から2000万円もの飼料代増加となり、経営を圧迫していました。

一方で豚肉の販売価格は市場相場に連動する契約販売が主流であり、価格決定権を持てないという構造的な課題もありました。

取組を行った内容

市場相場に左右されない自社で価格決定権を持てる事業として、加工品開発と直接販売の強化に取り組みました

まず飲食店への直接卸では、資材高騰の状況を丁寧に説明し理解を得ながら価格改定を実施。ただし飲食店側の価格転嫁も考慮し、全ての部位をバランスよく販売できる価格設定としました。

加工品では、一般的な商品の倍近い価格設定の肉味噌を開発。女性向けの洗練されたデザインと、名前のある素材を使用した無添加という付加価値を明確に打ち出しました。

ポイントは「自社ブランドの確立」と「商品の社会的価値の向上」をセットで進めたことです。

取組を行ったことにより得られた効果

加工品事業は年間約500万円の売上となり、ECサイトやふるさと納税、道の駅など多様な販路を確保できました。特に肉味噌は1本896円という強気の価格設定にもかかわらず好調に売れています。

また多角的な事業展開が本業にも好影響をもたらし、時間管理意識の向上や飼料効率の改善につながりました。

さらに加工品や直接販売を通じて消費者や飲食店との関係が深まり、自身のブランド化が進展。新たな商品開発のヒントや事業機会も生まれ、市場変動に左右されにくい経営基盤の構築が進んでいます。

取組を行って感じたこと/ 今後取組を行う企業に対してのコメント

価格転嫁を進める上で最も重要だったのは、価格決定権を持てない本業を諦めるのではなく、自分でコントロールできる新しい事業を並行して育てたことでした。

加工品開発のアイデアは顧客からのリクエストや地域の飲食店との交流など「ヒントは外にしかない」という姿勢から生まれました。高価格でも、商品の価値やストーリーを丁寧に伝えれば必ず理解してくれる顧客がいます。

本業の規模には及ばなくても、価格決定権を持つ事業は経営の安定性を高めます。まずは小さく始めて、顧客の声に耳を傾けながら一歩ずつ進めることが大切だと感じています。

堀越ファーム

ほりこしファームは、群馬県藤岡市を拠点とする養豚農家です。「透き通るようなすっきりした肉汁」が魅力の「最高級ハーブ豚」を生産しています。オレガノなど6種類のハーブを配合した飼料とストレスフリーな環境にこだわり、豚肉特有の臭みを抑えた上質な味わいを実現。「自分で産ませた命を人まかせにしたくない」という信念のもと、生産から管理までを代表自らが一貫して行っています。「Gokujo」をはじめとするギフト商品の展開や、地元との連携による商品開発を通じ、心に残る食体験を全国へ提供しています。

所在地
群馬県藤岡市白石555
業種
農業、林業