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価格交渉・価格転嫁の取組事例

徹底した原価計算と高単価商品開発で実現した価格上昇とリピーター維持の両立

  • コスト上昇調査
  • ブランド力向上
  • 市場調査

公開日 

取組のポイント

  • 全ての栽培コストを細かく算出し目標利益率に必要な価格設定を明確化
  • 高単価商品の魅力を最大限にアピールし付加価値で価格を正当化
  • 価格改定後もリピート率は約50%を維持し顧客離れを回避

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

きっかけは、経営コストの高騰とブルーベリー市場単価の減少という二つの課題でした。

開業時に約2,000万円の初期投資を行っており、その回収と事業拡大のための資金確保が必要でした。運営面では肥料費の高騰に加え、駐車場整備やツリーハウス製作といった設備投資も重なり、コスト負担が増大していました。一方で市場では、ブルーベリーの仕入単価が下落傾向にあり、収益性の確保が困難になっていました。

このような状況下で、事業を持続可能なものにするため、価格転嫁による収益構造の見直しが不可欠となりました。

取組を行った内容

価格転嫁を実現するため、まず徹底した原価計算と情報収集を行いました。苗木1,000本の調達から水管理、肥料、防草シート、害虫駆除まで、すべての栽培コストを細かく算出し、目標利益率に必要な価格設定を明確にしました。

同時に、健康ブームによる市場拡大といったトレンドを分析し、価格が受け入れられる根拠を探りました。実行段階では、摘み取り体験の値上げだけでなく、ブルーベリーパフェやジュースといった高単価商品の魅力を最大限にアピールし、付加価値で価格を正当化しました。

さらに、テレビや新聞などメディア露出を通じて県内でのブランド力を高め、消費税増税のタイミングなど顧客の抵抗が最小限になる時期を選んで段階的に値上げを実施しました。

取組を行ったことにより得られた効果

その結果、2015年から2025年までの10年間で、大人料金は1,500円から2,000円(約30%増)、小学生料金は1,000円から1,500円(約50%増)へ上昇させることができました。観光農園で約630万円、カフェで約210万円の売上を確保し、高い利益率をキープしています。

特筆すべきは、値上げ後も来訪者の約50%がリピーターとなっており、価格転嫁が顧客離れにつながらなかったことです。さらに、これまで蓄積した農園経営のノウハウを活かし、他のブルーベリー農園でセミナーや勉強会を展開するという新たな収益の柱も確立できました。価格転嫁は単なる値上げではなく、事業全体の成長機会となりました。

取組を行って感じたこと/ 今後取組を行う企業に対してのコメント

価格転嫁を成功させる最大のポイントは、市場を正確に把握するための情報収集と、タイミングを意識した動き、そして付加価値の創出でした。

単に「コストが上がったから値上げする」のではなく、顧客が納得できる価値を提供することが重要です。私たちの場合、摘み取り体験という従来からのサービスに加え、高品質なカフェメニューやメディア露出によるブランド力向上など、複数の価値を組み合わせることで、価格上昇への納得感を醸成できました。

ベリーベリーヤミー

富山県富山市(八尾町)に拠点を置くブルーベリー観光農園です。富山県内では初となるポット栽培システムを導入しており、同県最大級の植え込み本数と、30種類以上の豊富な品種を取り揃えているのが特徴です。 農園内は全面にシートが敷かれており、ベビーカーや車椅子の方でも安心してブルーベリー狩りを楽しむことができます。時間無制限の食べ放題に加え、直営カフェでは新鮮な実を使ったスイーツも提供しています。「とれたて・もぎたて・ほんもの」をコンセプトに、自然豊かな環境で高品質なブルーベリーの魅力を発信し、地域に根ざした観光拠点を目指しています。

所在地
富山県富山市八尾町松原253-3
業種
宿泊業、飲食サービス業