価格交渉・価格転嫁の取組事例
原価計算の見える化と成功事例の構築で実現したデザイン単価の1.6倍向上
- コスト上昇調査
- 交渉の工夫
- 市場調査
- 品質向上
公開日
取組のポイント
- A4チラシのデザイン作業時間を計算し1時間単価算出で説得力ある価格設定を準備
- パートナーシップ構築宣言を調べ大手企業と交渉し成功事例を構築
- A4チラシのデザイン料の1.6倍向上で時間的余裕が生まれ質の向上を実現
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
きっかけは、インフレによる機器やソフトウェアなどの原価上昇と人件費の上昇でした。デザイナー仲間との交流会で原価上昇を強く実感し、業界全体で価格が上がり始めていることに気づきました。
長年、A4チラシのデザインを3万円という同じ価格で提供してきましたが、案件ごとに作業時間が変わるにもかかわらず、しっかりとした原価計算を反映していませんでした。質の高い仕事に取り組むためには価格に一定の余白を織り込む必要があると感じていましたが、クライアントが離れる懸念から、どの程度値上げすべきか悩み続けていました。
取組を行った内容
まず徹底的に自社の状況を見直し、原価計算にチャレンジしました。A4チラシ一本に費やすデザイン作業時間を計算し、1時間あたりの単価を算出。機器やソフト、会社の維持費などを按分して価格に上乗せし、説得力のある価格設定を準備しました。
最も重要なポイントは、信頼関係のある関係会社から挑戦したことです。パートナーシップ構築宣言などを調べ、まずは大手企業と価格交渉を実施し成功事例を作ることで、次の交渉相手への説得材料としました。
取組を行ったことにより得られた効果
A4チラシのデザイン単価が3万円から5万円へ、1.6倍に向上しました。財務状況が改善し、安値案件が大きく減ったことで時間に余裕が生まれ、結果としてデザインの質を上げることができました。
思っていた以上にお客様が離れず、価格交渉を通じて、自分たちのデザインの質が評価されていることを改めて知ることができました。価格転嫁によって財務への好影響だけでなく、質の向上という好循環を実現できました。
取組を行って感じたこと/ 今後取組を行う企業に対してのコメント
価格転嫁と質の担保は常に最適な解を探求し続けるべきものだと感じています。価格転嫁をしなかった会社が廃業していく姿を数多く見てきたため、上手に価格転嫁を行い、長く事業を続けていただきたいと思います。
企業経営で最も大切なのは継続することです。そのためには質に合った価格設定を常にし続けることが必要です。原価計算をしっかり行い、価格交渉できるところから進めていく。そして常に時流を見極めて対応していく。ぜひ一歩を踏み出してみてください。
株式会社IS NEAR
株式会社 IS NEARは、ブランディングやWEB制作を含むデザイン業務全般と、建築物の企画・設計・現場監理を行う建築設計業務の二つを柱としています。これらに加え、愛媛・大島、種子島、博多などで国内5事業所を展開する宿泊事業、博多の「88isnear CAFE&BAR」などの飲食店事業を手掛けるなど、多角的に事業を展開しているのが特徴です。デザインと建築の知見を活かし、複合的なサービスを提供することで地域と深く関わりながら経営を行っています。(本事例ではそのうちのデザイン業務について取り上げています。)
- 所在地
- 鹿児島県西之表市東町99
- 業種
- 学術研究、専門・技術サービス業

