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価格交渉・価格転嫁の取組事例

定期的なコミュニケーションと付加価値で「受け入れられる」価格転嫁

  • コスト見直し
  • ブランド力向上
  • 市場調査

公開日 

取組のポイント

  • 米の仕入先と定期的な話し合いの場を設けることで価格受け入れの時期を調整
  • 付加価値をセットで提供することにより納得感を得ながら価格改定を実現
  • 毎年のリニューアル工事や商品力の強化についても検討を進められるように変化

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

きっかけは、3年ほど前から「物が値上がりしている」「最低賃金が上がった」という話が仕入れ業者から出始めたことでした。

そして2年ほど前から具体的に仕入れ値の価格改定の話が本格化しました。物価高騰や人件費高騰の波が当旅館にも押し寄せる中、このまま仕入れ値の上昇を受け入れるだけでは経営を圧迫してしまうという危機感がありました。

仕入れコストと販売価格のバランスをどう取るか、そして価値を感じていただける価格転嫁をどう実現するかが大きな経営課題となっていました。

取組を行った内容

米の仕入れ先と令和6年4月から定期的な話し合いの場を設けるようにしました。この取組により価格転嫁を受け入れる時期を取引先と調整でき、話し合いの重要性を実感しています。

また、県外を含め旅館やホテルの方々と情報交換を行い、業界全体の動向を把握するよう努めました。

価格転嫁については、単に値上げするのではなく、お客様に納得していただける付加価値をセットで提供することを重視しました。具体的には、部屋を改装して単価を上げる、朝食の値上げに合わせて食器を新しいものに入れ替えるなどの取組と合わせて価格改定を実施しました。

取組を行ったことにより得られた効果

定期的な交渉により、コスト上昇の影響を緩和することができました。

また、付加価値を伴う価格転嫁により、お客様の納得感を得ながら適正な価格設定を実現できています。

さらに、価格転嫁をきっかけに毎年のリニューアル工事や朝食等の商品力の強化についても検討を進められるようになりました。

取組を行って感じたこと/ 今後取組を行う企業に対してのコメント

価格交渉・価格転嫁に取り組んで感じたのは、コミュニケーションの重要性です。仕入れ先との定期的な話し合いや、業界の方々との情報交換は本当に大切だと実感しています。

また、商工会議所の会報誌やライオンズクラブ、旅館組合での情報も経営判断の貴重な材料になっています。

価格転嫁については、単なる値上げではなく、お客様に「価値が上がった」と感じていただける工夫が不可欠です。約10年後の事業承継を見据え、譲り受けたいと思ってもらえる旅館であり続けるため、ハード面・ソフト面の両方で進化し続けています。

今後外国人観光客の増加も見込まれるため、多言語表記など新たな取組にも挑戦していきます。

宝永旅館

福井県福井市に位置する宝永旅館は、JR福井駅から徒歩圏内の立地にあり、「家庭的なおもてなし」を大切にする老舗旅館です。 主な事業として、ビジネス出張や観光、合宿、長期滞在など、幅広いニーズに応じた宿泊サービスを提供しています。客室は和室・洋室のほか、福井ならではの「恐竜ルーム」を備えるなど多様です。食事面では、福井の伝統的な惣菜「お幸ざい(おこうざい)」を中心とした地産地消の料理を提供しています。また、アマチュア落語家である女将の「福井のおもしろ観光ばなし」も名物となっています。24時間利用可能な貸切風呂や洗濯設備も完備し、利便性と温かみのある滞在環境を強みとしています。

所在地
福井県福井市宝永3丁目7−16
業種
宿泊業、飲食サービス業
従業員数
12名(パート・アルバイト含む)
資本金
500万円