価格交渉・価格転嫁の取組事例
レベニューマネジメントの活用と地域ブランド化で100%価格転嫁を達成
- ブランド力向上
- 品質向上
- ツール利用
公開日
取組のポイント
- インバウンド増加で価格上昇の機運も、長年の固定客との信頼を維持しながらの価格転嫁が課題
- 他社情報を収集し慎重な段階的値上げを実施、地域ぐるみのまちづくりで固定客を確保
- 補助金活用で最新設備を導入し省人化と付加価値向上も推進、100%の価格転嫁を達成
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
きっかけは、有馬温泉におけるインバウンド客の増加により、宿泊業全体で価格上昇の機運が見られたことでした。
「レベニューマネジメント」(需要予測に基づき、曜日や時期によって価格変動させる仕組み)の影響で、宿泊業で価格転換しやすい機運、環境がありました。しかし、急激な値上げは客離れを招く恐れがあり、どのように適切に価格転嫁を実現するかが課題でした。
原材料費、輸送費、エネルギー費の高騰に対応しながら、長年培ってきた固定客との信頼関係を維持し、持続可能な経営を実現することが求められていました。
取組を行った内容
有料ツールを活用しレベニューマネジメントを実施し、同じ温泉内の他社の宿泊費等の情報を収集して値付けを行いました。
宿泊代を徐々に値上げしていますが、客離れを防ぐため、急激な値上げは行わないという慎重な戦略をとりました。同時に、地域ぐるみで1980年代からまちづくりを展開し、ブランド化に成功。2000年代からインバウンド対策も実践し、地域に固定客がついている強みを活かしました。
省人化やサービス向上に向けて、補助金を活用しさまざまな最新設備を導入しました。例えば、最新型厨房機器を導入し、鱧の骨切マシンで瞬間冷凍した冬場の淡路島の鱧を夏に提供できるようにすることで、コストダウンを図りました。
介護機能を充実した部屋、外国人スタッフの育成、雑木を使用した食器プロジェクトなど、様々なアイデアを形にすることで、付加価値向上につとめてきました。
取組を行ったことにより得られた効果
原材料費、輸送費、エネルギー費とも100%価格転嫁を達成しました。まちづくりや地域ぐるみのインバウンド対策が功を奏し、宿泊施設は平米単価が大阪市内のホテルとほぼ同じ相場となっています。
レベニューマネジメントを活用し慎重に値上げを実施することで、客離れを防ぎつつ価格転嫁を達成できました。様々なアイデアを形にすることで付加価値を高め、適正な価格を認めていただける環境を構築しました。
いろいろなネタを面白く、有馬を宣伝するのにどう伝えるかを常に考えながら、新たな付加価値創出、価格転嫁につなげていく姿勢が成果を生んでいます。
陶泉 御所坊
1191年創業、有馬温泉最古の温泉旅館です。鎌倉時代から続く800年以上の歴史を持ち、谷崎潤一郎や吉川英治など多くの文豪に愛されてきました。従業員80名を擁し、宿泊業と飲食サービス業を営んでいます。有馬温泉の妬泉源からの金泉を使用し、文豪が愛した陰翳の美しさと素朴・野趣あふれる山家料理を提供。1980年代から地域ぐるみのまちづくりとブランド化に取り組み、2000年代からはインバウンド対策も実践。補助金を活用した最新設備導入や外国人スタッフ育成など、革新的な取組を行っています。
- 所在地
- 兵庫県神戸市北区有馬町858
- 業種
- 製造業宿泊業、飲食サービス業

