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価格交渉・価格転嫁の取組事例

SNS発信で付加価値を向上し「農家自身にファンをつける」戦略で価格転嫁を達成

  • ブランド力向上
  • その他

公開日 

取組のポイント

  • 米の市場価格が一俵13,000円と低迷し従来通りの流通では適正利益が残らず経営危機の状況に陥った
  • SNSで農家のこだわりと思いを発信し産地ではなく生産者ブランドで付加価値を創出
  • 5キロ2,000円台から最高7,500円への段階的値上げに成功、SNSをきっかけに新たなビジネスチャンスも創出

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

3年以上前、米の市場価格は一俵約13,000円前後と極めて低く、このままでは経営が立ち行かない状況でした。

JAや米屋、商社を通じた従来の流通では、生産者である私たちに適正な利益が残りませんでした。当時、5キロ1,000円から2,000円程度でしか販売できず、今の半分ほどの価格水準でした。

耕作面積をどんどん拡大していく中で、販売も強化しなければ事業として成立しない危機感がありました。農業は誰でもできると高をくくって参入する人もいますが、プロとして生計を立てるには相当な努力と覚悟が必要です。

生産者が適正な価格で米を販売し、攻めの経営に転換できる仕組みを自ら構築する必要がありました

取組を行った内容

2022年1月から、SNSを活用した情報発信に本格的に取り組みました。最大のポイントは「農家自身にファンをつける」戦略です。

コロナ禍で巣ごもり需要が高まり、食べチョクやポケマル(農家や漁師が直接消費者に販売し、交流できるアプリ)を通じて消費者が直接農家から買う動きが広がる中、農家のリアルな現状や思いを直接伝えることを意識しました。

「○○産コシヒカリ」といった産地ブランドではなく、「どういった農家がどんなこだわりと思いで作っているか」を発信し、ただ美味しい・安いだけではない付加価値を創出しました。

段階的に5キロ2,000円台から3,000円台へ、そして現在は一般米で5,000円、栽培期間中農薬不使用のお米は7,500円まで引き上げました。さらに業務用への切り替えを進め、コンスタントに出荷できる体制を構築。SNSは名刺代わりとなり、取引先から直接声がかかるようになりました。

取組を行ったことにより得られた効果

価格転嫁により経営は大きく安定しました。現在、販売の約8割が業務用、2割が一般消費者向けで、売上比率は一般消費者向けが25%程度を占めています。

また、これらの取り組みにより給料アップを実現し、農家は休みがないというイメージを覆すようにしっかりと休暇も取れるようになりました。

何より、米の付加価値を高めたことで攻めの経営に転換でき、設備投資や経営の多角化が可能になりました。2年前には新たに従業員を雇用し、玉ねぎ・さつまいも・じゃがいもなど野菜の新規事業も立ち上げました。

国の総合化事業計画も活用し、備蓄防災用おにぎりなど、米から派生する商品開発にも挑戦しています。SNSを通じて得た人脈は何よりの財産となり、様々なコラボレーションや新たなビジネスチャンスにつながっています

取組を行って感じたこと/ 今後取組を行う企業に対してのコメント

今の時代、米も野菜もありふれた社会で差別化が非常に難しい中、自分の経営や商品をどう伝えるかが重要です。

そのために我々が活用したツールはSNSでした。SNSはすぐに収益化できるものではありませんが、商品を売る、自分を売る、情報を売るという着地点を明確にした発信を、コツコツ続けることで成果に繋がる可能性があります

苦しい経営だと日銭稼ぎになりがちですが、それでは経営として伸びていきません。私たちも4、5年先を見据えた中長期的なビジョンを持ちながら取り組んできました。短期的な利益だけでなく、毎日少しずつでも未来のために努力を続けることが、経営の安定と発展につながると信じています

株式会社NAO RICE

株式会社 NAO RICE(ナオライス)は、愛知県半田市に拠点を置く法人です。 「人にも環境にも優しいお米作り」を理念に、新規就農者としての若いパワーと現代の SNS 発信 (「農家の KT」名義など)を組み合わせ、農業の魅力を若手視点で伝えています。自社栽培 米の販売に加え、6 次産業化として長期保存可能な「防災用おにぎり」などの加工品開発も 手掛けており、持続可能な農業と地域の食を守る取り組みを推進しています。

所在地
愛知県半田市有脇町13丁目96番地2
業種
農業、林業
従業員数
6名(アルバイト含む)
資本金
100万円