価格交渉・価格転嫁の取組事例
地域産品と独自製法で「自信」があるからこその値上げ
- ブランド力向上
- 取引関係の改善
- その他
公開日
取組のポイント
- 高崎産小麦100%とデュラム小麦不使用の独自製法で差別化
- 市内イベントへの協賛で飲食店が高価格を認め使いたくなる好循環
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
当社は生パスタ製造事業において、2022年4月のコロナ禍による卵や小麦の価格上昇に直面しました。
BtoB事業が売上の9割を占めており、飲食店との取引は長期的な関係が続く特性があるため、価格改定が取引先の利益に直接影響することへの懸念がありました。
また、唯一無二の商品であるからこそ、価格転嫁が飲食店に与える影響に慎重な判断が求められました。
取組を行った内容
小売商品については、一束120gを260円から280円へ20円値上げを実施し、売上の1割を占める小売で大きなロスを避けるようコントロールしました。
BtoB事業では業者専用ECサイトでの価格を1kgあたり5円から10円引き上げました。
また、高崎産小麦100%という地域産品の強みと、デュラム小麦を使わない独自製法を訴求し、「キングオブパスタ」協賛などの活動を通じてブランド価値の確立に注力しました。
取組を行ったことにより得られた効果
価格改定により、原材料費の高騰に対応しながら、取引先企業との良好な関係を維持することができました。
飲食店との取引では、地域産品の強みと、唯一無二の商品特性により、一度採用されると継続的な取引が実現しています。これは積算型ビジネスモデルとなっており、新規取引先が増えるたびに安定収益が積み上がる構造を構築できました。
また、市内のイベントである「キングオブパスタ」への協賛やブランディング活動により、飲食店からむしろ「ジャパスタリアを使っているならもっと高くしていい」と言われるほどのブランド価値を確立し、小売商品での高価格設定が飲食店のブランディングにも貢献する好循環を生み出すことができました。
取組を行って感じたこと/ 今後取組を行う企業に対してのコメント
価格交渉で最も重要なのは、商品に自信を持つことだと感じています。卸業者が値上げを恐れるのは商品に自信がないからであり、品質で勝負せず価格だけで商売をすると、1円でも安い競合に簡単に切り替えられてしまいます。
当社は高崎産小麦100%という全国でも稀有な取り組みと、デュラム小麦を使わない独自製法により、他社と明確に差別化された商品を提供しています。飲食店との関係では、人と人とのつながりが非常に重要です。
ナショナルブランド品を扱う卸とは異なり、独自商品であれば、多少高くても信頼関係によって選ばれ続けます。今後はブランドをさらに研ぎ澄まし、キングオブパスタでの上位独占等により高崎産の小麦を使ったパスタが評価されることで、農家への恩返しと地域全体のブランディングを進めていきたいと考えています。
有限会社ジャパスタリア
群馬県高崎市に拠点を置く生パスタ製麺所である。2017年に吉田製麺として創業し、2025年に商号変更し設立。「パスタの街たかさき」初の製麺所として、JAたかさきと共同開発した高崎市産小麦「きぬの波」など、国産素材のみを使用した純国産生パスタブランド「ジャパスタリア」を展開。同ブランドの「高崎生パスタ」は、第19回日本農業新聞「一村逸品大賞」で大賞を受賞している。
- 所在地
- 群馬県高崎市鞘町20-1 鞘さや町ビル1-D
- 業種
- 製造業

