価格交渉・価格転嫁の取組事例
製造原価の具体的根拠と他社に真似できない差別化要因を背景に実現した工賃60%強の値上げ
- コスト上昇調査
- 交渉の工夫
- 技術力向上
公開日
取組のポイント
- 織機ごとの電力消費量の詳細データを収集し交渉の具体的根拠に活用
- 強気の姿勢で上昇コスト60%強の工賃値上げ実現
- 値上げ分を即座に従業員の賃金に反映し就労意欲が大幅に高まる好循環
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
約30年続く衣料品繊維の賃加工業である当社は、特殊繊維の製造業者が減少する中、不良品発生率の低さやジャカード織りへの対応力といった高い技術力を強みとしています。
しかし、2022年夏ごろから電力料金の高騰が顕著になり、製造原価の大部分を占める電気代が大幅に上昇。事業の存続に関わる重大な課題となりました。後継者へ魅力ある事業として引き継ぐためにも、工賃増額交渉は成功させる必要がありました。
取組を行った内容
工賃増額交渉のポイントは、電力会社の協力を得て「織機ごとの電力消費量の詳細なデータ」を収集し、交渉の具体的な根拠としたことです。全ての織機に電力計測装置を設置し、2019年と2023年の電気料金単価を比較した正確な資料を作成しました。
正確なデータ提示に加え、他社では代替しづらい高い技術力と品質を背景に、受託の停止も辞さない強気の交渉態度で臨みました。また、後継者不足の中、事業承継の重要性を訴え、事業存続の必要性についても理解を求めました。
取組を行ったことにより得られた効果
2023年4月と8月の2回交渉の結果、最終的に上昇コストの60%強に相当する工賃の値上げを実現することができました。
正確なデータと高い技術力、そして事業承継への強い思いを背景に強気で交渉に臨めたことが、成果に繋がりました。工賃アップで収益基盤が安定し、値上げ分を即座に従業員の賃金に反映したことで、従業員の就労意欲が大幅に高まる好循環を生み出しました。
参照元:福井県『県内企業の価格転嫁事例』
製造業S社
- 業種
- 製造業

