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価格交渉・価格転嫁の取組事例

経営トップの意識改革と取引先への数字開示で実現した平均10%の価格転嫁

  • 交渉の工夫
  • 支援機関サポート
  • その他

公開日 

取組のポイント

  • 段階的に進める正直ベースの価格交渉
  • 経営と現場が一体となった交渉戦略
  • 価格転嫁を通じての原価管理意識の向上

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

当社は多機能性フィルムや両面テープなど、高い技術力で差別化された製品を幅広い分野に提供しています。しかし、近年の原材料価格やエネルギーコストの高騰は、収益を深刻に圧迫し、事業の継続性を脅かす危機的な状況に直面しました。

この状況に対し、代表取締役会長は「今は競争の時代ではなく共同の時代」であり、価格交渉は恥ずかしいことではないという強い認識を持っていました。過去に勤務先が価格転嫁できずに会社更生法を申請した経験から、この危機を乗り越えるには、取引先に状況を正直に伝え、価格交渉に取り組むしかないと決断しました。

取組を行った内容

価格交渉に際し、まず経営者自らが「堂々と価格交渉しよう」というメッセージを従業員に発信し、従業員の意識改革を促しました。価格改定は2021年11月から、コストアップに合わせて3回にわたって取引先に相談を実施しました。

交渉の鍵となったのは、数字の見える化です。日頃から従業員に月次試算表を開示していることに加え、価格交渉の際には取引先にも試算表を開示しました。これにより、「安定供給のためにも価格改定が必要不可欠」であることを理解してもらうことができました。

さらに、県から派遣された専門家のサポートを受け、取引先約300社を分析しカテゴリ別に分類。少数精鋭の営業担当者が中心となり、カテゴリ別のアクションプランに基づき地道な交渉を推進しました。

取組を行ったことにより得られた効果

粘り強く交渉に取り組んだ結果、取引先約300社のほぼ全てにご対応いただき、平均10%の価格転嫁を実現することができました。一部の取引先とは、価格転嫁に加え仕様変更による収益改善も実現しています。

得られた収益は、物価上昇下で従業員の生活を守るため、基本給4%増、賞与6%増の賃上げとして還元することを決定し、全従業員とその家族の生活維持に貢献しました。

今後は、モノづくりの実態を反映した原価管理を更に高度化し、従業員の原価意識向上に向けた教育を進めていく計画です。

参照元:埼玉県『埼玉県価格転嫁成功事例集』

共同技研化学株式会社

共同技研化学株式会社は、「多機能膜」の開発、製造、販売を行う企業です。材料設計から合成、成膜、特殊ラミネート、表面改質処理などを一貫して手がけており、粘着性、接着性、光透過性、電磁波シールド、熱伝導性など多様な機能を複合化させた高分子材料(多機能膜)を創製しています。石油化学工業における有機化学工業分野で事業を展開し、「真を尊び、新たな挑戦」を理念に、顧客第一主義で高付加価値加工技術を追求しています。

所在地
埼玉県所沢市南永井940番地
業種
製造業