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価格交渉・価格転嫁の取組事例

2~3年後の最低賃金見据え 顧客理解を得た交渉術

  • コスト上昇調査
  • 交渉の工夫
  • その他

公開日 

取組のポイント

  • 最低賃金上昇を2~3年後まで見据え交渉を実施
  • 従業員待遇改善のためと公益性を強調し理解獲得
  • ロールプレイングで営業担当者の交渉力を向上

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

当社が展開する警備業、施設警備、巡回事業は、人件費の高騰により収益性の悪化と従業員のモチベーション低下という深刻な課題に直面しました。

最低賃金の上昇に対応するため毎年価格交渉を実施していたものの、従業員の給与水準を十分に引き上げるには至らず、給与が上がらないことによる退職者の増加や採用難という構造的な課題を抱えていました。警備業は人材が最も重要な経営資源であるため、優秀な人材の確保と定着のために、適切な待遇改善と価格転嫁が急務でした。

これに加え、競合他社の価格転嫁という業界全体の流れもあり、自社から積極的に価格改定交渉を申し入れることを決断しました。

取組を行った内容

価格交渉に向けて、引き合い段階の取引条件確認を徹底し、原価計算と単価計算を実施しました。業界の価格改定情報を収集し、書面での交渉申し入れと説明資料の作成を行いました。

特に重要だったのは、最低賃金上昇分(6~10%)を上乗せし、当社の利益確保のためだけでなく従業員の待遇改善のためであることを誠意をもって説明した点です。また、最低賃金の上昇率を2~3年後まで見据え、社員の待遇改善の必要性を明確に伝えました。

さらに、ロールプレイングの実施や成功事例の共有で営業担当者の交渉力向上を図り、経済産業省の資料やHP、決算データも活用して人材集客に努めました。

取組を行ったことにより得られた効果

これらの取り組みにより、一部の契約で価格転嫁を成功させ、売上の増加、利益率の改善、従業員の賃上げを実現しました。

最低賃金上昇という社会全体の動向を明確に示し、従業員の待遇改善という公益性を強調したことが、顧客の理解を得る上で大きな成功要因となりました。また、社員の資格取得支援などの製品・サービスの高機能化にも取り組み、今後の価格改定に向けた基盤を構築しました。

ただし、一部契約では完全な価格転嫁に至っておらず、継続的な取り組みが必要であると認識しています。

T株式会社

業種
サービス業(他に分類されないもの)