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価格交渉・価格転嫁の取組事例

クリアなエビデンスで信頼を築き人件費5.5%増

  • ブランド力向上
  • 交渉の工夫
  • 市場調査
  • 取引関係の改善

公開日 

取組のポイント

  • 業務量10%超増加時の追加精算可能なスキームの構築
  • 業務引継ぎ等の組織維持コストも明示し理解獲得
  • サービス品質の他社対比見える化で差別化訴求

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

当社は、人材サービス、海運代理店、アウトソーシング事業を展開する中で、人件費の高騰により収益性の悪化に直面しました。これに加え、人材不足や働き手の高齢化といった構造的な課題も抱えていました。

過去にコスト連動型の価格交渉経験はありましたが、今回は特に売り手市場において優秀な人材を確保・定着させるため、収支を改善し人件費を確保することが価格改定の直接的なきっかけとなりました。

このため、当社から発注元企業に対して積極的に価格交渉を申し入れることを決断し、交渉成功に向けて他社にはない独自の価値を顧客に認知していただけるような活動を展開することにしました。

取組を行った内容

価格交渉に向けて、まず取引先の経営状況や業界動向のデータを収集し、自社の付加価値・差別化要素を徹底的に見直しました。その上で、委託元に当社の独自の価値を認知していただけるような活動を展開しました。また、業界の価格改定情報を収集し、価格転嫁・交渉用の説明資料を作成するとともに、発注後の価格交渉の手法やリスクを明確化しました。

特に重要だったのは、十分な収益を確保できる金額を提示するために、委託元の納得を得られるようクリアなエビデンスを正直ベースで用意した点です。昨年度比10%超の作業が発生した場合の追加精算をお約束いただき、また、業務引継ぎ等で人件費が重複する期間のコストなど、組織維持のためのコストも含めて計算を行いました。

これにより、業務量が予測できずに増加した場合でも追加請求が可能なスキームをお受けいただき、今年度の収支の安定化を達成することができました。さらに、委託元担当者とのコミュニケーションを増やし、お困りごとへの相談に乗るなど、親身になっていただけるような関係構築にも努めました。

取組を行ったことにより得られた効果

これらの取り組みにより、価格転嫁を成功させることができました。その結果、売上の増加、利益率の改善、従業員の賃上げ(昨年度比平均5.5%UP)を実現しました。

特に重要な成果として、収支が良くなったため、社内での人材育成に力を入れることができるようになりました

自社のサービスクオリティの高さを他社との対比で見える化し、日常的にコミュニケーションをとって委託元担当者との関係を良くしたことが成功要因となりました。

O株式会社

業種
サービス業(他に分類されないもの)