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価格交渉・価格転嫁の取組事例

単価見直しと環境対応を両立し利益確保

  • コスト上昇調査
  • ブランド力向上
  • 交渉の工夫
  • 労務単価調査

公開日 

取組のポイント

  • 製造原価・損益表で理由記載し丁寧に説明実施
  • カーボンニュートラル取組を別単価として評価獲得
  • 環境対応が付加価値として認められ単価見直し実現

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

当社では鉛精錬・インゴット販売及び鉛バッテリーの産廃処理業を展開しており、原材料費の高騰、エネルギー価格の上昇、物流費の増加、人件費の高騰、為替レートの変動という複合的なコスト上昇に直面、収益性が大幅に悪化しました。特に、原材料の高騰に販売価格の値上げが追いついていない状況に加え、廃鉛バッテリーの不正解体業者による一次単価のつり上げという業界特有の深刻な問題も発生していました。

このため、設備・システム等への新たな投資や経営戦略の転換が求められる中、発注元からの交渉申し入れも受け、自社からも積極的に価格改定交渉を申し入れることを決断しました。

取組を行った内容

価格交渉に向けて、まず引き合い段階の取引条件確認を徹底し、原材料費や労務費のデータ収集に基づく原価計算と単価計算を実施しました。その上で、取引先の経営状況や業界動向を分析し、価格交渉の順序を戦略的に検討しました。

最も重要だったのは、製造原価・損益表をとりまとめ、その理由を記載して丁寧に説明したことです。また、IR情報や経済産業省発表の書面を活用し、CO2排出量比較資料を作成して、カーボンニュートラルへの取り組みとその実績を報告しました。さらに、生産量と原料(鉛バッテリー)のバランスを考慮し、鉛建値の情報リサーチも行いました。

取組を行ったことにより得られた効果

これらの取り組みにより、価格転嫁を成功させ、売上の増加、利益率の改善、事業拡大に向けた投資、新規販路・顧客の拡大を実現しました。

特に重要な成果として、交渉の際にそもそもの単価の見直しをしてもらうことができました。また、カーボンニュートラルへの取り組みを別単価として認めていただくことができ、環境対応が付加価値として評価されました。製造原価・損益表による論理的な説明と、カーボンニュートラルという新たな付加価値の提示が成功要因となりました。

株式会社L社

業種
製造業