価格交渉・価格転嫁の取組事例
「だんごは◯円」の壁を破り 工場効率化で賃上げ
- コスト見直し
- その他
公開日
取組のポイント
- 業界の固定観念を打破し、従業員と未来への投資原資を確保
- 事業効率化の断行による、商品価値の維持とコスト削減
- 働き方改革と品質向上への投資で、企業の魅力を高める
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
現在、私たちは気候変動による米・小豆などの主原料の収穫不安定化に直面しています。特に猛暑の影響で収量や品質が落ち、供給不足の傾向が増加しています。加えて、農業人口の減少により、生産者が価格の高い主食用米に集中するため、弊社が必要とする加工用米の確保が困難な構造になっています。
長年販売してきた商品のイメージから、最終消費者の間で「おだんご1本は〇〇円くらい」という価格の固定観念が強く、メーカーとしては売上減少を恐れて値上げできない状況が続いていました。
しかし、毎年上がる最低賃金に加え、築30年の工場の老朽化メンテナンスや高騰する設備投資の原資を確保するため、利益確保のために値上げに踏み切らざるを得ない状況となりました。
取組を行った内容
2025年2月1日より、全商品において15~20%の値上げを行いました。
自社としてはここ2~3年の間に、商品数量を減らして製造ラインの効率化を進める準備をしてきました。その中で残業などの固定費の削減、原材料の見直しなどを行って、商品価値を維持しながらコスト削減をして維持しようとしてきました。
一方で今年に入って、出荷場に空調設備を完備し、従業員の熱中症対策、商品の品質対策を行い、商品価値を高めることを意識してきました。
取組を行ったことにより得られた効果
製造数量は8%ダウンしましたが、売上は昨対約102%ととなりました。
製造品目も同時に絞ることで、製造数量が少なくなった分効率的に工場を運用しやすくなりました。無理な残業による余分な人件費も削減でき、働き方の面でも必要な休日数などを確保しやすくなりました。
株式会社C社
- 業種
- 製造業

