価格交渉・価格転嫁の取組事例

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

スピードメーター部品や空圧機器部品の製造を手がける中、深刻な受注減により工場運営が困難な状況に陥りました。この受注減に加えて、原材料費の高騰、エネルギー価格の上昇、物流費の増加、人件費の高騰といった複合的なコスト増が重なり、収益性が著しく悪化しました。

従来の価格設定では工場運営も維持できないほどの厳しい経営状況となり、従業員のモチベーション低下も深刻な問題となっていました。

取組を行った内容

価格転嫁に向けて、まず原材料費や労務費の詳細なデータ収集を行い、正確な原価計算と自社製品の単価計算を実施いたしました。取引先の経営状況や業界動向についても詳細なデータを収集し、価格交渉の優先順位を戦略的に検討いたしました。

併せて経営状況を明確に提示する根拠となる資料を作成し、製品単価表、労務費単価表、新規見積書を整備いたしました。地域の他企業や同業他社とも積極的な意見交換を行い、業界全体の動向を把握した上で客観的な交渉材料を収集しました。

さらに説明資料を丁寧に作成して発注後の価格交渉手法やリスクを明確化しました。特に重要だったのは、取引先から今後の正確な受注情報の提供を受けることで、双方向の情報共有による建設的な関係構築を図ったことです。

取組を行ったことにより得られた効果

これらの取り組みにより、価格転嫁を成功させることができました。売上の増加と利益率の改善を同時に実現し、工場運営が困難だった状況から脱却することができました。