価格交渉・価格転嫁の取組事例
業界の課題を乗り越えるため 技術力の証明という新たな価値の創出
- 市場調査
- 品質向上
- 競合調査
公開日
取組のポイント
- 認証資格取得による技術力証明
- 同業他社を通じた情報収集
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
原材料費、エネルギー価格、物流費の高騰によって収益性が大幅に悪化し、新たな設備やシステムへの投資、さらには初期コストの返済も困難な状況となっていました。
自動車整備業界は、以前から工賃(レバレート)が適正水準に設定されておらず、サービスの価値に見合った利益を確保できないという構造的な課題を抱えていました。さらに、保険会社が提示する基準額が市場の実態からかけ離れていたため、適正な収益確保はより困難な状況でした。
このようなコスト上昇圧力の中で、持続可能な事業運営のためには、工賃の見直しが不可欠でした。
取組を行った内容
まず、業界全体の価格改定動向を把握するため、同業他社との会食などを通じて積極的に情報収集を行いました。他社の工賃設定状況や市場動向を詳細にリサーチし、適正な価格水準を客観的に把握しました。
同時に、価格転嫁の根拠となるサービス品質の向上に取り組み、認証資格を取得することで技術力と信頼性の向上を図りました。これらの準備を基に、新しい見積書を作成し、引き合いの段階から取引条件を明確に確認する体制を整えました。
さらに、広告・プロモーションを強化して自社の付加価値を訴求し、事業分野を拡大することで収益機会を多様化しました。これらの取り組みを通じて、工賃(レバレート)の適正化に向けた総合的な基盤を構築しました。
取組を行ったことにより得られた効果
同業他社との情報交換と認証資格の取得による信頼性向上を背景に、工賃の価格転嫁を成功させ、利益率を改善しました。適正な工賃設定によって、設備投資や技術向上に必要な資金を確保し、持続的な事業成長の基盤を構築できました。
一方で、価格転嫁後も保険会社が提示する基準額との間に依然として大きな格差があるという、業界全体の構造的な課題が浮き彫りになりました。しかし、認証資格の取得や事業領域の拡大で差別化を図ったことで、今後の継続的な価格適正化に向けた競争優位性を確立し、業界の価格水準向上に向けた先駆的な取り組みとしての意義も見出すことができました。
株式会社C社
- 業種
- 卸売業、小売業

