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価格交渉・価格転嫁の取組事例

詳細なデータ収集と公的基準を元に 客観的な価格根拠を提示

  • コスト上昇調査
  • 労務単価調査
  • ツール利用

取組のポイント

  • 国の積算基準を参照し価格妥当性確保
  • コロナ禍の人件費上昇への客観的対応

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

人件費、原材料費、エネルギー価格、物流費の高騰により、複合サービス事業に必要なあらゆるコストが同時に上昇し、収益性が悪化していました。特に、コロナ禍以降の最低賃金や外注コストの顕著な上昇が経営を圧迫していました。

ビルメンテナンスや建物総合管理といったサービスでは、人件費と外注費を含めた価格転嫁が必要な状況でした。発注元企業からの価格交渉を受ける一方で、自社からも価格転嫁を申し入れる必要があり、経営戦略の転換が求められていました

取組を行った内容

まず、原材料費や労務費に関する詳細なデータを収集・分析し、原価計算と単価の再計算を行うことで、コスト上昇分を明確に数値化し、客観的な価格改定根拠を整備しました。その上で、取引先の経営状況や業界動向についてデータを収集し、自社の付加価値や差別化要素を見直しました。

また、業界の価格改定動向と取引先の情報を収集し、価格交渉の順序を戦略的に検討した上で、書面で正式な交渉を申し入れました。情報収集においては、地域企業や同業他社との意見交換、発注元からの直接情報提供を活用したほか、同業者や最低賃金、国土交通省の積算基準も参考にしました。

そして、製品単価表、労務費単価表、見積書を新たに作成し、自社サービスの品質管理を強化するとともに、顧客からの評価を向上させることで、付加価値の創出に取り組みました。

取組を行ったことにより得られた効果

詳細なデータ分析と客観的な価格根拠の提示によって、価格転嫁を実現することができました。その結果、売上増加と利益率の改善を達成し、従業員の賃上げも実施できたことで、人材確保と組織力の強化につながりました。

また、最低賃金の上昇や外注コストの増加に対応した適正価格の実現は、利益率を適正化し、従業員の賃上げに必要な原資を確保することに繋がりました。

株式会社S社

業種
学術研究、専門・技術サービス業