価格交渉・価格転嫁の取組事例
双方の利益を考慮した交渉に伴う 収益源の多様化による事業強化
- 交渉の工夫
取組のポイント
- 建設資格取得による別事業でのリカバリー
価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題
原材料費、エネルギー価格、物流費、人件費が上昇し、不動産管理業務のコストも高まり、収益性が悪化していました。
このような状況下で、家主様から家賃の値上げを要請され、入居者様との交渉が必要になりました。しかし、実質賃金が上がっていない入居者様も多く、家賃交渉は難航するケースが多々ありました。
不動産業として、家主様と入居者様の間に立ち、双方の事情を考慮しながら適正な価格調整を実現する必要がありましたが、社会経済情勢により交渉環境は厳しい状況でした。
取組を行った内容
まず見積書の形式を見直し、自社の付加価値と差別化要素を再確認しました。その上で、業界の価格改定動向を情報収集し、交渉相手には書面で正式に申し入れを実施しました。
また、交渉プロセスの改善を図るため、新しい見積書を作成しました。情報収集には、同業他社との意見交換や外部アドバイザーからの助言、そしてインターネットなども活用しました。
さらに、家賃交渉が難航した分の収益を補うため、新商品・サービスの開発と事業領域の拡大にも取り組みました。特に、建設関係の資格免許を取得して別事業での収益を確保し、収益源を多様化することで、単一事業への依存リスクを軽減し、総合的な事業基盤の強化を目指しました。
取組を行ったことにより得られた効果
書面での正式な交渉申し入れと見積書の改善によって、家賃の値上げ交渉を進めることができました。また、建設関係の資格免許を取得して別事業を展開したことで、家賃交渉が難航した分の収益を補い、一定の売上改善を実現しました。
この結果、従業員の待遇向上も図ることができ、組織力の強化にもつながりました。
株式会社L社
- 業種
- 不動産業、物品賃貸業