価格交渉・価格転嫁の取組事例

価格交渉・価格転嫁を行うきっかけ/ 企業で抱えていた課題

近年、原材料費の高騰が深刻化し、プラスチック原料だけでなく、消耗品費や梱包資材まで軒並み値上がりしました。これにより収益性の悪化が経営課題となり、このままでは事業継続が困難になると判断いたしました。特にプラスチック原料は石油由来製品であるため、国際情勢の影響を大きく受け、短期間で大幅なコスト上昇に直面しました。

取組を行った内容

価格転嫁の実現に向けて、まず引き合い段階から取引条件の確認を徹底いたしました。原材料費や労務費のデータを詳細に収集し、原価計算と自社製品の単価計算を実施しました。

最も重要だったのは、価格転嫁の説明資料を作成し、「価格の値上げが必要なエビデンスの提示」「金額が妥当である説明」「当社の努力」の3点を明確に示したことです。技術提案も設計段階から積極的に行い、単なる価格交渉ではなく付加価値を伴った提案として位置づけました。

インターネットから市場情報を収集し、発注元からも直接情報提供を受けて交渉材料を整えました。

取組を行ったことにより得られた効果

これらの取り組みにより価格転嫁が実現し、売上の増加と利益率の改善を同時に達成いたしました。技術提案を設計段階から行うことで、単なるコスト転嫁を超えた付加価値提案が評価され、顧客との関係性も強化されました。

成功の要因は、エビデンスに基づく論理的な説明と自社の努力を示すことで、顧客の理解を得られたことです。特に、原価計算に基づく透明性の高い価格設定と、技術力を活かした差別化提案の組み合わせが効果的でした。この経験により、今後の価格交渉に対する自信と具体的な手法を獲得することができました。